お読みいただきありがとうございます。
当院そばの小頭町公園の桜もだいぶ葉桜になってきましたが、
4月中旬を迎えた今日は、朝から少し冷えてました。
こういった時期は、片頭痛や寝違え、ぎっくり腰が起きやすいので、予防のための
ストレッチや鍼灸治療も効果的です。
そこで今日は、うちにご来院される方からよくご質問いただく、
「なぜ鍼や灸が効くのか」について取り上げてみようと思います。
中には、鍼に何か特別な薬剤がついていると思われている方もおられましたが、
僕らが使う鍼には、滑りをよくするためのシリコンコーティング以外、
なんの薬剤も付着していません。
では、なぜ打った直後から痛みが消えたり、筋肉が緩んだり
各症状が改善するのかを、詳しく解説していきます。
皆さんは、鍼やお灸の治療を受けたことが在りますか?
日本人の中で、鍼灸の需要率はわずか6%程と言われています。
つまり、100任に6人しか鍼灸治療を受けたことが無いと言う事になります。
しかし、当院に来院してくださった方でも
「実は昔から受けてみたいと思ってた」とおっしゃる方はたくさんいらっしゃいますし、
しっかりとご説明して、鍼の効果を感じていただけた後は、鍼灸治療のとりこになる方もたくさんいらっしゃいます。
と言う事で、今日は、なぜ鍼が効くのかを、詳しくご紹介します。
まず最初に人の身体には、免疫機能が備わっていて、
この免疫機能と鍼やお灸は密接に関係しあっています。
むしろ、この免疫機能を活性化させるスイッチの役割をしていると言っても
過言では在りません。
身体に鍼が入ると
脳はそれを「遺物」と判断し、大量の白血球を放出させます。
白血球には、壊れた細胞を回収するマクロファージという物質(別名大食細胞)も
含まれているため、白血球が増殖することにより、古い細胞が活性化され
免疫力も比例して向上するとされています。
また、鍼を体内に入れることで血管を広げる、
CGRPやサブスタンスPと言う物質を放出させ
体内に血液がめぐりやすい状態を作っていき、
物理的に凝り固まった筋肉に血液をいきわたらせたり、
前述の白血球などの細胞をはじめ赤血球や酸素を身体にいきわたらせる事ができるのです。
そして、脳に対して快楽を感じさせる
脳内麻薬とも言われるオピオイド(エンドルフィン)を放出させ
リラックス効果や、鎮痛効果をもたらします。
このオピオイドこそが、鍼には即効性があると言われる所以です。
鍼を打って、エンドルフィンが出て、痛みを感じにくくしているうちに、
血管が広がり、血液が痛んだ組織にいきわたり、
細胞を修復してくれると言うイメージでしょうか。
そしてもう一つの鍼の大きな効果は
自律神経の調整。
自律神経とは、副交感神経と交感神経の総省で、脳の視床下部と言う部分で
調整しています。
しかし、この視床下部への血流が減少すると、
副交感神経と交感神経のバランスが崩れ、身体の機能を維持することが難しい、
自律神経失調症を引き起こします。
主に副交感神経の働きが弱まり、交感神経が優位になると、
不眠症や、便秘、消火器の異常など
様々な不調を引き起こします。
ここで、鍼を行うことで、視床下部の血流量も増加し
副交感神経が有利になり、リラックス効果や、
上にも述べた血管の拡張、内臓への血流の増加を誘発して、全身の機能のバランスを
整えることができます。
私たち鍼灸師は
鍼やお灸を患者さんの症状に応じた経穴(つぼ)に行うことで
上に述べてきた効果を誘発させながら、症状と向き合います。
鍼灸と言うとどうしても、
ぎっくり腰や肩こりと言うイメージが強いかもしれませんが、
婦人科系の疾患や、自律神経の乱れから来る疾患、内臓の不調にわたるまで
多くの分野に技術を生かしています。
鍼と言うと「痛い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、
技術を持った鍼灸師が打った鍼は、いつ打ったかもわからない程、痛みは感じません。
まれに、毛穴などに入ると、多少ちくっとした刺激を感じますが、
その場合も、それほど気にならない位の刺激感です。
もし、鍼を受けて、耐えられない程の痛みであれば、遠慮なく
申し出てください。
人によって、痛みを感じやすい方もおられるので
一概には言えませんが、
何度もその痛みを感じる用であれば、残念ながら
施術者の技術不足かもしれません。
当院ではしっかりとご説明をしながら鍼を行い、
必要以上の刺激は入れないよう、おひとりづつの感受性によって鍼の刺激量を
調整していますので、
安心してお試しいただけましたら幸いです。
まだ鍼灸治療を試したことがない方も、すでに鍼のとりこになられている方も、
もっと鍼灸が皆様の身近なものになるよう、
今後もPonoLuanaから発信していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。